2012年04月15日 20:17

1週間に1回の更新が精一杯だよーっ。
こんばんは。まだまだ3話です。
ラブストーリー In 河南高等学校#.3
河南高等学校は思ったより大きくない高校だった。登校する学生たちの中にはときどき白い名札の子達がいて、テレビで見たこのある子や、ジュンスのように髪の色が派手な生徒もたまに見かけた。
芸能クラスはジュンスの言った通り地下1階にあり、暗くて陰気で、昼でも廊下に明かりをつけているほどだった。俺たちは校長に簡単に挨拶をしたあと教室に入り、席に着いた。チャンミンは友達がいるらしくその子の隣の席に座り、ジュンスはユノヒョンと、そして俺は……。
「座るのが嫌なら違うところに行って座れよ」
「座るのが嫌だなんて言ってないけど……」
よりによってどうしてキム・ジェジュンなんだ……。俺は眉間にしわを寄せたまま席に座った。
1時間目が始まっても先生はちっとも来る気配がなかった。生徒たちはみんな見目麗しく背もすらっとしていたが、勉強とは縁遠いようで、寝るか音楽を聴くか大声で騒ぐか、三つのうちどれかだった。その中でも、とあるグループがうるさく騒いでいた。頭を真っ赤に染めているやつがボスらしく、率先して下品な猥談をしていた。昨日どんな子と寝たとか、その子のテクニックがどうだったかとか……聞くのも苦しいような話をなんでもないようにしている顔が厚かましかった。
そいつの声が大きくなるにつれ、俺はなんとなく慌てて顔をうつ伏せた。しかしその瞬間、すぐ隣からガタン! と音が聞こえたかと思うと、キム・ジェジュンが立ち上がり、教室全体に鳴り響くほどの大声で怒鳴った。
「くそ! うるせえんだよっっ!!!」
瞬間、教室全体がしんとなった。バカ野郎……こうなると思ったからマネージャーヒョンはキム・ジェジュンの高校入学を深刻に考えていたんだな。俺は呆れたという表情で顔を上げ、キム・ジェジュンの服を引っ張った。キム・ジェジュンは俺のやめろという身振りにもまったく反応しなかった。そして赤髪が席から立ち上がり唾を吐きながら近づいてくると、彼も睨みながら近づいていった。
「この野郎……転校してきたら静かに座って寝ていればいいんだよ。他人がしゃべり散らかそうとバカ騒ぎしようとおまえに関係ないだろ?」
「おまえ今、俺のことを『野郎』と言ったか?」
「ああ、この野郎だ!」
「くそ……おまえに静かにしろと注意しても意味がないようだな」
その次からは話もしたくない。赤髪の顔はその髪の色と同じように血だらけになり、ジェジュンは血のついた拳を拭くためにトイレに直行した。キム・ジェジュンがまともにケンカする姿を初めて見たが、驚きすぎて無意識に教室から逃げだしそうになった。拳が見えなかった。赤髪のやつが先に殴りかかったが、その拳をいつ避けたのか、キム・ジェジュンからアッパーカットが飛び出してKOさせた。それからジェジュンは床に倒れたやつに馬乗りになり、しきりに拳を食らわせていた。俺がやめろと叫ぶまで、ジェジュンはこれまで我慢してきたストレスを吐き出すかのように無表情でやつを殴り続けた。
ジェジュンがトイレに行った後、教室はひっそりと静か息を殺したようになり、俺は慌ててジェジュンのあとを追った。
「おい、おまえ、バカか!!!?」
「おい、おまえ今、俺に向かって『おい』と言ったか?」
「ああ!! くそ……キム・ジェジュン、マネージャーヒョンはおまえにこんなふうに過ごしてほしくて学校に通うように言ったわけじゃないだろ」
「だから、誰が通いたいと言った? あんなことが起こるから来たくないと言ったじゃないか」
キム・ジェジュンは流れる水で手を洗ったあと、いつの間にかゆったりと壁にもたれてタバコを吸っていた。地下なので小さな窓から辛うじて陽射しが入ってくるくらいのトイレは、夜のように暗く陰湿だった。
「そんなこと言って、おまえがチームをクビになったらどうするんだよ!」
「そんなことはありえないから心配するな」
「心配するさ、当たり前だろ」
「どうしておまえが心配するんだ?」
「同じチームだからだ! 同じメンバーだから!」
「それだけか?」
「それだけ? 他に何がある!」
「……」
なぜそこで無言になるんだ……。俺の言葉に、キム・ジェジュンはしばらくの間、じっと俺の顔を見つめていた。ときどきキム・ジェジュンにこうしてじっと見つめられると、俺は博物館に展示された陶磁器になったような気分になる。見物するために置かれているわけでもないのに、どうして勝手に俺の顔を見るんだ! 無性に気分が悪くなり、俺はキム・ジェジュンの目の前で手のひらをぶんぶん振って、彼が吸っていたタバコを奪い、便器に捨てた。
「くそ……おまえ、責任取れよ」
「何を?」
「俺の口、おまえが退屈にさせたんだから責任取れって」
「はあ? キスでもしてほしいか?」
俺が嘲笑うようにそう言うと、突然キム・ジェジュンはぴたりと止まり、俺を睨むように見つめた。
俺たちはしばらく見つめ合いながらそうして立っていた。俺はぽかんとした目で、キム・ジェジュンは冷たい目で。そんなふうにジェジュンの目を見つめていると、変な気分がした。確実に彼の目は素敵だ。サークルレンズをしているわけでもないのに、黒目がもともと大きくて澄んでいて、赤ん坊の目を見ているような気分だ。こんな目をした人間がさっきのように残忍に人をぶん殴るなんて、世界は本当にアイロニーだ。
「ヒョン、どうしたの?」
あまりにキム・ジェジュンが何も言わないので、先に俺の方から口を開いた。するとキム・ジェジュンはなんでもないと首を横に振り、そのままトイレを出て行ってしまった。暗くてがらんとしたトイレにひとりで残されると突然怖くなり、俺は慌ててジェジュンの後を追った。が、キム・ジェジュンはついてくるなと言いながら手を振りどこかへ歩き去ってしまった。俺は首をかしげながら教室に戻った。
教室にはまだ先生が来ておらず、無法状態だった。赤い髪の連中は、俺とユノヒョンとジュンス、チャンミンのほうを睨みながらひっそりしていたが、それ以上は何もしてこなかった。チャンミンに話を聞いてみると、ジェジュンと俺が出て行った後、ユノヒョンがもう一回戦決闘をしたらしい。ユノヒョンが光州でどれだけ遊んでいたのかを想像して、俺はしきりに顔を横に振った。血だらけになった赤い髪の隣で、ツンツン髪を立たせたやつが鼻血を流しながら泣くのを我慢していた。
「このクラスで楽に過ごすには、はじめにちょっと力を使わないといけないのさ」
ユノヒョンはにこにこ笑いながら言った。この人たちと同じチームでホントによかった。もしもライバルだったら俺は今頃、キム・ジェジュンに下腹部を踏み潰され、ユノヒョンに拳の洗礼を受けていたのだろう。そしてキム・ジュンスは拍手をしながら歌を歌い、チャンミンは世界を解脱した表情で余裕ありげに見つめているだろう。考えてみるとうちのメンバーたちは、俺以外はみんな非常識のようだ。いや……俺もそうなのか?
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2012年04月10日 00:18

一週間ってなんて早いのでしょう。
これからたくさん山あり谷ありだから、それを早くお届けしたいのに
私、更新遅くてごめんね!!
みなさん、長い目で見守ってつきあってくださいまし。
お願いいたします。
今日のタイトルはジェジュンちゃんだよ。わかいよ〜。ふふふ。
ラブストーリー in 河南高等学校#.2
実は、今になって告白するが、俺は歌手になるつもりは夢にもなかった。歌うことは好きだったが、歌手になるほどうまくもないし、他人の前で歌うのは恥ずかしいことだとまで思っていた。それから俺は、最近の歌手が持つべき三つの基本を一つも持っていない。参考までに、三つの基本というのは歌、ダンス、ショーマンシップだ。
ところで、東方神起がアカペラグループとしてデビューすることになったのには俺にも責任がある。最初、社長は東方神起をHOTのようなダンスグループとしてデビューさせようとしていて、ダンスのうまいユノヒョンとダンスと歌ができるジュンスとジェジュンヒョン、そしてある程度ダンスができるチャンミンまで集めていた状態だった。しかしこの俺こそが、死んでもダンスができないのだ。俺がダンスを踊る姿を鏡越しに見て、ユノヒョンは大型のイカ一匹が陸地でのたくるようだと言った。(ヒョンはダンスに関しては冷徹だ)自分で見ても、が踊る姿はいっそバラエティー番組に出て個人技として使うほうがましなくらいに憂鬱で不毛だった。
そんな俺が歌手になった理由は単純に両親の頼みのせいだった。
アメリカにいるときに、ナイキから出た新しいスニーカーが、とある喉自慢の賞品としてかけられていたのだが、俺は恥を捨てて大会に出て、なんと1位をとることになった。そしてその場にいたSMのマネージャーに俺はスカウトされ、芸能人について漠然とした幻想を抱いていた両親は俺をひとりで遠い故郷に強く送り出したのだ。
知り合いもひとりもいない故郷に来させられた俺は、残りの4人のメンバーと宿所に入り、今年のデビューを目標にトレーニングを受け始めた。初めてトレーニングを始めたとき、俺は自分がどうしてこのグループに入ったのか疑問に思うほど、自分への自信を失った。俺は歌も特別うまいわけじゃないし、ダンスはコメディーのようだし、ショーマンシップもなく、目立った特技もない。その上、 メンバーたちの中で背も一番低い(本当にコンプレックスだ)せいで、しばらく鬱になり、1週間ほどトレーニングに行かず部屋に閉じこもったこともある。そのときキム・ジェジュンにどれだけ文句を言われたが今も頭をよぎる。
キム・ジェジュンはあのとき俺が部屋のドアに鍵をかけて出て行くつもりがないことと知ると、どこからかハンマーを持ってきてドアノブを壊し始めた。あのときメンバーたちが止めなかったら、俺はキム・ジェジュンに殴られて死んでいたかもしれない。メンバーたちが飢え死にしないようにと部屋につけられた小さな窓に食事を入れてくれたとき、キム・ジェジュンはカメムシとどこからか持ってきたゴミ箱を投げてきた。結局臭いに勝てず俺が青い顔で部屋を出ると、ドアの前にはキム・ジェジュンがじっと立っていた。一言めが「クソ」で、最後の言葉は「殺したいのを我慢した」だった。俺はあのとき本当に命の危機を感じた。
部屋から出て暗い顔をして台所にいた俺に、ユノヒョンが近づいてきてそっと囁いた。
「ユチョナ……おまえはうちのグループのビジュアル担当じゃないか」
ああそうだな。俺はビジュアル担当だったんだな。ビジュアル担当とは……グループ内で歌もダンスもそこそこだけど、見た目がキラキラしてチームの認知度のために入れられる、いわゆる一番人気があるメンバーではないか……! こうして俺はユノヒョンの言葉に自信をもらい、もう一度トレーニングに出始めたのだった。
実際、俺はかなりそれなりの見た目で、アメリカにいるときにも人気が多かった。しかし問題は、女性だけではなく男性にまでも人気があったということだった。俺が通っていたハイスクールはラグビー部やアイスホッケー部などが有名な学校だったのだが、その主将たちが俺のためにケンカをして退学になったこともある。とあるやつは俺のために自殺騒動まで起こした。自分は男に好かれる顔なのだと言うことを初めて知ったのもその頃だった。しかし韓国に来るとそんなことはなく、俺は安心した。幸いアメリカと韓国は男性の視線が若干違うようだった。
「パク・ユチョン! 制服を着たら早く降りて来い!」
下からジュンスの声が聞こえた。俺は鏡に映った自分の姿をもう一度見つめた。空色のベストに灰色のズボン、そして藍色のネクタイ。全く田舎くさい制服だったが、俺が着るとなんだか幼稚園のお遊戯会の衣装のようだった。どうしようもない気持ちでカバンをかけて1階に降りていった。
下では他のメンバーたちが制服を着て、食卓でシリアルを食べていた。そして何が起きたのか、キム・ジェジュンが早く起きて新聞を見ていた。(もちろんスポーツトゥデイ)
キム・ジェジュンはネクタイを締めて名札までしていたが、そんなきちんとした格好を見るのは初めてで、俺は瞬間言葉を失った。そして腹が立つことに、俺が着ているとまるで幼稚園の衣装のような制服が、キム・ジェジュンが着ていると何だかスーツを着ているようにかっこよかった。キム・ジェジュンはちらっと俺を見ると、ぷっと笑って新聞に顔をうずめた。
「ユチョン、制服よく似合うね」
「かわいい」
「マジでかわいい〜チャンミンと同い年だと言っても信じるな。くく……」
「キム・ジュンス、黙れ」
「顔が白いから空色が映えるね。ところで空色のチョッキはンマジで田舎くさくないか、ちょっと……」
ユノヒョンが不満そうな顔でベストを指差した。申し訳ないが、ユノヒョンはもともとなんでも似合うのでその田舎くさい空色まで消化する力があった。俺は憂鬱な気持ちでシリアルを食べるか食べないか悩みながらジュンスを見つめた。ジュンスはギラギラした金髪頭だったが、その髪でちゃんと学校に通っているのかかなり疑わしかった。
「おい、キム・ジュンス。おまえ、その髪で、学校で何も言われないのか?」
「白い名札は芸能クラスの印なんだけど、白い名札をつけた生徒は髪とかピアスとか気にしないんだよ」
「芸能クラスじゃない子は? 何も言わないの?」
「彼らとは会う機会もないさ。知らないの? 俺たちの教室は地下だ。地下には科学室と使われていないコンピュータ室しかないから、やつらはほとんど来ないよ。それでも売店と近いから嬉しいんだけど」
「おい、なんだか見捨てられた生徒みたいじゃないか!!」
「それじゃあおまえは言って勉強するつもりだったのか?」
そ、そういうわけではないけど……。
「まあとにかく、まじめな子が不満そうにするのは嫌だからさ……」
立ち上がったキム・ジェジュンがまだ笑いながら俺を見ていた。
「おい……ところでマジで幼く見える。かわいいね」
「ほっといてよ」
「こいつ!」
「……」
キム・ジェジュンは持っていた新聞を俺にさっと投げながら睨んだ。俺は何も言わずに新聞を受け取り、綺麗に折っておいた。くそ、数日前に発刊された女性芸能人のヌード写真がでんと印刷されていた。胸が全部見える……。
「あれ? あの子、ヌードになったの?」
「うん、たいしたことなかったけど?」
「ジェジュンヒョン、いつ見たの?」
「昨日モバイルで全部見た」
「うわ、俺、あの子好きだったのに! 俺も見たらだめ?」
「チョン・ユノ、お前はキム・ジュンスのでも見てろよ」
「なんだと!!!」
ユノヒョンが顔を赤くしてシリアルをすくっていたスプーンをキム・ジェジュンに放り投げた。ジェジュンにあんなふうに接することができる人間は同い年であるユノヒョン以外にいない。ユノヒョンも光州でガムを噛み、つばを吐き捨ててきたらしく、口癖や行動が相当悪い。もちろんキム・ジェジュンよりはかなり情愛深く、優しい性格ではあるが……ところで何の話をしているんだ?
「どうした? 俺の裸見たい?」
ジュンスがひどくにこにこ笑いながらユノに顔をつきつけた。ユノヒョンはこれ以上ないほど顔を真っ赤にして、カバンを持って慌てて玄関の外に出ていってしまった。とにかくうちのメンバーには各自バカなところがあるらしい。よくわからない面がたくさんある……。
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2012年04月01日 15:38

お久しぶりです、こんにちはーーー

これまで何本かファンフィクションの翻訳をしてきたこのブログでございますが、
今日から新しい小説の翻訳
を始めたいと思っております。今日はエイプリルフールですが嘘ではありません

今回の小説も、これまでに何度も翻訳してきたマニッシュさん
の作品でございます。結構、翻訳していてもつらい内容も含まれるのですが

私の5人への未練……いや……5人が帰ってくるまでの暇つぶし……

いつものように更新も特に早くはなく、先が長くなるとは思いますが
よろしければお付き合いいただければと思っております

さて東方神起デビュー前、もうすぐデビューを控えて、高校に通うことになるのであります。
かわいいユチョンくんは高校生活&芸能生活を無事に送ってゆけるのでしょうか?
※なお、この小説の特徴として、
最初のほうは一話一話が短いが、最後のほうになると一話一話が長くなっていく
というものがございまして
最初のほうはやけに短く、ものたりない部分もあるかもしれませんが、ご了承ください

ラブストーリー in 河南高等学校#.1
「高校!?」
「ああ。入学手続きは全部終わっているから明日から登校すればいい。もう一度言っておくが、おまえに大学に行けとか、全校で1番になれとかそんなことは死んでも言わないから安心しろ。ただ卒業証書をもらえばいいんだ。デビューすればおまえにもイメージというものがある。中退なんて話にならないだろ?」
「くそ! バカじゃないのか!? 俺に学校に行けだなんて!」
「どうせ何ヶ月もないじゃないか。ユノと一緒にセンター試験を受けるふりでもすればいい」
「行かない!! いや、行けない!!!! 俺が高校でアクシデントを起こしてデビューできなくなったらどうする!?」
「それなら勝手にしろ。言っておくが、うちの事務所にはおまえ以外の練習生だっていくらでもいるんだ。キム・ジェジュン、こちらはおまえが東方神起のメンバーにならなくても問題ない。それをふまえてよく考えろ」
「くそ!!! マネージャー がケンカを売ってきやがる!!!!!!!!」
河南高等学校はソウル市内に位置し、平凡な人文系列クラスと特別な芸能系列クラスが併設されている。芸能活動をする学生たちは学年区分なくみんな1クラスに集められ、他の人文系学生からの被害をなるべく減らせるというだけではなく、芸能人たちがスケジュールやレッスンを受けるにあたってできるだけの配慮をしてくれるという長点があった。さらに、このような特別なクラスを創立したということでマスコミの注目を集め、学校の名前をより広めるという校長の目的にも合っていた。
ユノヒョンとジュンスとチャンミンは既にこの学校に入学しており、俺はアメリカで高校に通っていたのでいろいろな書類を準備しなければならず、入学がかなり遅れていた。そしてジェジュンヒョンは、
「俺に制服を着ろって!?」
性格がひねくれていて、入学をとにかく拒否していた。しかしデビューの日が近づくと、ジェジュンヒョンのイメージを考えたマネージャーが(ジェジュンヒョンは中学中退だ)半強制的に河南高等学校への入学手続きを行ってしまったのだ。
「おい、タバコ」
俺は文句も言わずにマルボロレッドを取り出し、ジェジュンヒョンに差し出した。こういうときのキム・ジェジュンを刺激するとやたらと騒ぐので、できるだけおとなしくするほうがいい。ジェジュンヒョンは俺の手からさっとタバコを奪ってぷかぷか吸い始めたが、俺を見ると「箱ごと持ってこい」と叫んだ。くそ、マジで怒りっぽいんだから……!! 文句が咽喉元まで上ってきたが、なんとか堪えて飲み込んだ。
俺は正直、キム・ジェジュンが怖い。キム・ジェジュンはどこかの中学校に通っていたが、そこの校長とえらくケンカしたせいで停学をくらい、退学処理されたらしい。キム・ジェジュンが暮らしていた町に行くと、未だにそのことが伝説として残っているという。(校長室に行って机をひっくり返し、止める学生会長をたこ殴りにしたという、そんな感じの話だ)
しかし彼は、見た目はその性格とは正反対に女の子のように綺麗で、身体は俺より大きく、背も俺より大きく、頭も俺より大きい。(これをキム・ジェジュンに話したら、俺は殺されるかもしれない)特に真っ黒な瞳は、見ていると惹きこまれそうになるほど魅力的で、彼に群がる女の子の数も半端ない。一度は練習室でほかの女子練習生といちゃついていてるところをマネージャーヒョンにバレて冗談じゃないくらいに殴られたこともある。しかし、一日中タバコを吸っているくせに声は細いながらもパワフルで、彼が歌を歌うときには誰もが言葉を失い見つめた。とにかくどうしようもないろくでなしながらも、祝福された外見と声を持って生まれたジェジュンヒョンに、事務所は泣く泣く仕方なしにトレーニングをさせていた。
「おい、パク・ユチョン」
「何……?」
「くそ……おまえは学校に通いたいのか?」
「でも……通わなきゃ……将来、ヒョンに子どもができたとき息子に中退だって堂々と言える?」
「俺は子どもは作らないけど」
「え?」
「将来は養子を取って育てるんだ」
「どうして?」
「俺の妻は子どもを産めないから」
「おい! 冗談でもそんなこと言うな!縁起が悪い!!」
「本気で言っているんだが?」
とにかくその縁起でもない話しぶりは……妻が子どもを産めないなんて、子どもを産めない女性を選んで結婚するのか?
俺は呆れてキム・ジェジュンを見つめながら、汗で濡れた上着を脱ぎシャワー室に向かった。明日から学校に通わなければならないから今日は早く寝ようと思った。だが、いつの間にか近づいてきたキム・ジェジュンが隣で俺をじっと見つめていた。
「何?」
「くそ、おまえのどこでも服を脱ぐ癖、直らないのか?」
「男同士なのになんでいけないの?」
「おまえはだめだ」
「どうして?」
「おまえは興奮させるからだめだ」
は!?
「男同士だとしても、どこでもさっさと服を脱ぐな。そんなことしてたら捕って食われるぞ」
キム・ジェジュンはよくわからない言葉を並べると、気分悪そうに俺の裸を見つめては、背を向けて練習室から出ていった。ガン! あんなふうにドアを強く閉めるときは「俺はすごく気分が悪い」という意味だ。
誰が俺の裸を見る!? 無性に腹が立つ……!! 俺がキム・ジェジュンが出て行ったドア越しに中指を立てていると、 突然ぱっと練習室のドアが開いた。
「おい! おまえ今、中指立ててた!?」
「い、いや……」
「……シャワーするときは鍵をかけろよ」
「どうせ男子練習室なんだから男しか入ってこないじゃないか」
「それでも鍵をかけろ!!! くそ、お前最近口答えが多いぞ!」
「わ、わかったから……ちょっと出て行ってよ……」
キム・ジェジュンはタバコの吸殻を練習室の中にさっと放り捨てるとドアの鍵を中からかけて出て行ってしまった。本当によくわからない野郎だ。
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